ナフサ由来の製品が不足し、生活に影響が出るなか、愛知県の町工場が注目されています。主力製品はなんと、「ナフサのもとが作れる装置」。問い合わせが殺到しているということです。
■手袋“洗って使い回し” ビル清掃現場では疲弊

名古屋市内に構えるオフィスで行われていたのは、施設管理会社による清掃。汚れを落とし、清潔にするには、さまざまな資材や道具が欠かせないといいます。
大成 古川拓也 さん:
「このように1回の作業で使う資機材が50種類以上ある」
この会社では、日本をはじめアジアにあるオフィスビルや商業施設など約1250の物件を管理。名古屋では地下街やホテルなどを清掃していますが、その現場にもナフサの影響が及んでいるといいます。
大成 古川拓也さん:
「洗剤が値上がりしている。ごみ袋は品薄で高騰。また7月からは資材価格の値上がりが(卸会社から)伝わる」
資材の不足と仕入れ価格の高騰が大きな負担となっていたのです。

そこで講じた対策は代替品の活用。使い捨ての薄手のゴム手袋は使い回せる厚手のものに。しかし、従業員から聞こえてきたのは…。
従業員:「(ごわごわして)荷物をとるのが難しい」
さらに。
従業員:「洗濯をして終わった後、ひっくり返して干すのは忙しい」
事業用のごみ袋は 欠品に備えて透明のものを用意。ルールが変わらなければ捨てられません。
大成 古川拓也さん:
「このまま物資が不足すれば、ビルやオフィスの衛生環境が保てない。非常に強い危機感を持っています」
■“ナフサのもとを作れる装置” 材料は“誰も拾わない廃プラ”

そんなナフサショックのなか、打開策となる原料の開発に成功した企業が。愛知県一宮市にある従業員数20人の町工場。いま世界からも注目のある装置を開発しました。
伸光テクノス 木村護 代表:
「これは油化還元装置の実験機。廃プラスチックを油に変える」
プラスチックごみを約3時間で油に変える装置。高温で溶かしたプラスチックを気化させて冷やすことで油を抽出できる仕組み。
この油から、精製できるのは重油やガソリンなどです。
木村代表:
「これはプラスチックの袋。落ちていたら誰も拾わないですよね。でもこれが資源なんです」

これまで国内外の30社に導入されてきましたが、実は最近、問い合わせが急増しているといいます。
その理由は…。
木村代表:
「(抽出油を)精製するとナフサがとれる 」
なんと世界中が探しているナフサもこの油から作ることができるのです。
木村代表:
「問い合わせが今回の中東のことで、すごく多くなっている。(ナフサ問題は)自分たちで対応していこうという考え方の企業が増えている」

中東に依存していたこれまでの状態からの変化を支えるこの技術。生まれた背景にあるのは、ごみを資源に変えたいという思い。約30年にわたって社長が掲げ続けた目標です。
木村代表:
「『廃棄物は資源だよ』と自分たちの中で価値のあるものに変えていく考え方が増えていくことが将来に対していいこと。この世の中がよくなっていくのでは」
ナフサへの不安を解消する1滴は環境にも優しいものになりそうです。


