「お金持ち」とは一体どんな人のことを指すのでしょうか。元ゴールドマン・サックス証券で、現在は「金融経済アカデミー」の共同代表を務める松井雅章さんが、名古屋証券取引所とテレビ愛知が共同で運営するYouTubeチャンネル「あしたのマネー」に出演。お金持ちの本当の定義や、自分の稼ぐ力を高める「自己投資」の考え方、さらにプロとして毎朝実践している相場のチェック方法について分かりやすく解説しました。
お金持ちの定義は「人生の選択肢があること」

番組の中で「お金持ちの定義とは何か」と問われた松井さんは、「高級ブランド品を身につけることや、派手な生活をすることではない」と話します。
松井さんが考えるお金持ちの定義は、「自分の人生の選択肢があること」です。
例えば、食事で「うな重の『竹』ではなく『松』を食べたい」と思った時に、お金の面で自分の選択肢を狭めずに選べる状態のことです。自分の時間や快適さを大切にするために、お金を使って最短で移動する手段が選択できるのも、その例の一つ。金銭的な理由でやりたいことを絞らなくてよい状態こそが、本当の意味での「お金持ち」だと説明しました。
収入を増やす「稼ぐ力」と「希少性の掛け算」

では、選択肢を広げるための「お金」はどうすれば手に入るのでしょうか。松井さんは、お金を手に入れるためには社会に価値を提供し、その対価として所得を得ることが基本で、その上で、収入を増やすためのステップとして「稼ぐ力を上げること」と「お金を別の資産に変えること」の2つを挙げました。
特に若い世代においては、「自己投資」をして自分自身の稼ぐ力を高めることが重要です。
稼ぐ力を上げるポイントは、自分の「質」や「希少性(珍しさ・価値の高さ)」を高めることです。一つの分野を極めるだけでなく、複数の知識やスキルを「掛け算」することが近道になると話しました。
例えば、アナウンサーの場合、話し方が上手なだけでなく、「金融の知識がある」「バレエもできる」といった強みを組み合わせることで、「この人にしか頼めない」という場面が増え、自分の価値や稼ぐ力が高まっていくと説明しました。
稼いだお金を「別の資産」に変えて将来を支える

稼ぐ力を高めて得た収入は、そのままにしておくのではなく、株式投資や不動産投資など「お金以外の別の資産」に変えていくことが大切だと松井さんは話します。
資産に変えることで、その資産から新たなお金が生まれる循環が作られます。これが10年、20年後の自分を助け、将来の選択肢を広げることにつながります。
また、お金の使い方についても、「お腹が空いたから何でもいいから食べる」といった買い物はもったいないと指摘。一方で、海外旅行で新しい世界を見るような「自分の経験や将来の稼ぐ力をサポートする使い方は、投資と言える」と話しました。
世界的投資家のウォーレン・バフェット氏は、莫大な資産を持っていても普段からファーストフードを食べるといいます。無理に生活スタイルを変えず、自分に必要なものを選ぶ姿勢が大切であることがわかります。
毎朝1時間で世界情勢をチェック 相場に「酔わない」ための心構え

動画の後半では、松井さんが毎朝行っている情報収集のルーティンについて話しました。
松井さんは毎朝約1時間をかけて、アメリカの株式市場(S&P500やナスダックの先物)、半導体関連の指数(SOX指数)、エヌビディアやマイクロソフトといった主要なAI関連株の動きを細かくチェックしています。さらに、原油価格や金(ゴールド)、アメリカの国債金利(10年・30年)、中央銀行の政策決定会合(FOMC)の動向など、膨大なデータを一通り確認します。
これらのデータを単体で見るのではなく、「世界のニュース」と「市場の値動き」を組み合わせて一つのストーリーとして読み解くことがポイントです。
例えば「イラン情勢の緊張で原油価格が上がっている」「トランプ大統領の発言で市場がどう反応したか」などを照らし合わせ、自分の予想と値動きにズレがあった場合は、その理由を探ります。
松井さんは「自分たち個人の力で世界市場を変えることはできないが、相場というジェットコースターに乗る時に『次はこうカーブが来るぞ』とあらかじめ知っておくことで、相場の乱高下に酔わずに快適に乗ることができる」と例え、日々の情報収集が投資の姿勢を保つために欠かせないと締めくくりました。


