シリーズ「こどものマナビバ」。6日、名古屋工業大学で入学式が行われました。多くの新入生が入学する一方で、国立大学は「老朽化」という深刻な課題に直面しています。
「勉強頑張ってやっと入学式に来て、とても嬉しい」(新入生)
「緊張してるんですけど大学生活楽しみたいです」(新入生)
希望を胸に、約1000人が入学した名古屋工業大学。学長は、大学の施設についてこう話します。
「施設の更新もなるべく丁寧に使って、遅らせてきて、ところがもう20年たって、これ以上耐えられないような状況になってきている」(名古屋工業大学 小畑誠学長)
1949年に国立大学となり2004年には、国立大学法人へと変わった名古屋工業大学。
構内を案内してもらうと…
「こちらは造波装置といって波を起こして水位の変化を調べたり見たりすることができる装置になります。老朽化が進んでいて水漏れをしてしまって使用できない状態です」(名古屋工業大学 企画広報課 浅見善広 広報係長)
ガラスにヒビが入り、所々に錆びがある造波装置。壊れて使えない状態で、現在は手で波を起こす小さな装置を使用しています。
なぜこのような状況になっているのでしょうか。
「大学の運営費交付金というのは、国立大学法人という独立行政法人になった時から当初は毎年1%ずつ減らされるというようなことがありました。我々はどうやって、その間、対応してきたかというと規模を縮小することでしか対応できなかったわけです」(小畑学長)
最後の最後の手段だった

国立大学が目的に限らず自由に使える資金は、授業料と文科省からの運営費交付金です。
名古屋工業大学によりますと、2024年度の資金は、人件費や物価が上がっているにも関わらず法人化当時と比べてほぼ横ばいだということです。
大学は教員数を減らすなどして対応してきましたが、経営はひっ迫。そこで決断したのが「学費の値上げ」です。
「最後の最後の手段だったということなんです。物価も全体で上がっているということで上げさせていただいた」(小畑学長)
これまで授業料は文科省が定める標準額の53万5800円でしたが、今年度の新入生から64万2960円に引き上げました。
国立大学の授業料値上げは、東海3県で初めてのことでした。
「国公立ということで、基本的に負担は少ないものですから致し方ないかなと理解しています」(新入生の保護者)
「今年からだから少し損だなと、いろんな設備とか授業の内容に役立ててもらえれば嬉しい」(新入生)
大学は値上げ分を実験施設の更新や環境整備に充てたいとしています。
「授業料を払っていただいている方に対して説明がつくような使い方をするということ。そして社会の期待に応えたいと考えている」(小畑学長)
部活動と並行して資金集めも

施設面の問題は、他の大学でも。名古屋大学を取材すると…。
体育会のトライアスロン部の主将、冨田奈七さん。部活動と並行して取り組んでいるのが、練習拠点の1つである屋内プールの継続使用に向けた資金集めです。
「ボイラーの使用だったり水道費だったり、施設の老朽化によってコストが高くなってしまうのでそういったような削減と、もう1つが体育教官の方が退官されたことによって、プールの閉鎖が決まった」(名古屋大学トライアスロン部 冨田奈七さん)
2024年の夏。水泳の授業がなくなったことや老朽化によるコスト削減のため年度内での閉鎖が告げられたと言います。
「経年劣化してしまって使えなくなるっていうのはプールに限らずどの建物でもあると思うので、しょうがないなとは思ったし、大学という場所の特性上プールっていう施設が後回しにされるというのも納得できるなと思ったが。自分が何かして変わるのであれば全然何かするし変えたいなっていうふうに思いました」
冨田さんらは、プールの継続使用のため署名を集めて提出。大学との話合いの結果、2030年度まで夏場は使用できることになりました。
ただ、冬場の使用や施設の更新は認められず、自分たちで資金を集めて建て替えを目指すことに。
金融機関の学生支援プロジェクトに応募し、4年間、1年で100万円ずつの支援が受けられることになったと言いますが、目標金額にはほど遠く、冨田さんらは今後、特定基金の設立を検討しているということです。
「建て替えをして、この先何十年もずっとプールを自分たちも後輩たちも使っていけるようになってくれるのが1番の願いです」(冨田さん)
「地域の方々だったりだとか企業の方々だったりとかが手を取り合って、新しい大学の在り方みたいなのを模索したっていう1つのロールモデルみたいなのができれば、これから全国のさまざまな他の大学にも指針を示せるので、一緒に活動してくださる方々がいれば、是非とも一緒に活動していただきたいです。」(名古屋大学 トライアスロン部 野田脩人さん)


