愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会。今回、紛争地から出場したアスリートもいます。彼らの想いを取材しました。

18日の開会式で堂々と行進していたのは、「カンボジア」の選手団。その笑顔のかげには、人々の心を苦しめ続ける戦争の爪痕が残っています。

車いすバスケ女子の初戦。先頭で入場したのは「シエン ソク チャン」選手。プレイヤーとしてだけではなく、時にコーチとしてもチームを支える存在です。
そんな彼女が車いす生活を余儀なくされたのは、11歳のころでした。
車いすバスケ カンボジア代表 シエン ソク チャン 選手:
「1994年銃撃をうけて弾が背骨にあたりました。銃撃をうけたときは絶望的だった」
激しい内戦下で被害にあい、胸から下の感覚はありません。カンボジアでは今も多くの地雷が埋まったままで、人々を苦しめ続けています。
実はパラスポーツのルーツは“戦争”にあります。戦争でけがをした兵士のリハビリが始まりでした。しかし80年がたってもなお、世界各地で戦争や武力衝突が繰り返されれています。

アフガニスタン選手団もまた、紛争の歴史を長く歩んできました。
開会式の4日前。彼らが交流していたのは日本体育大学の学生です。日本体育大学では2年前から、戦争などの影響でスポーツの練習が困難なパラアスリートたちを日本に招き、支援しています。今回はアフガニスタンから選手ら5人を招きました。
日本体育大学 伊藤雅充 教授:
「紛争で家のことが心配で、パレスチナでスポーツをあきらめた人も。平和であることがスポーツを一生懸命頑張れる」
取材中、彼らから溢れ出てきたのは、“平和”を願う言葉の数々でした。
アフガニスタン選手:
「アフガニスタンは戦争ばかりで、スポーツの機会はなかった」
「スポーツを通じて世界に伝えたいのは “戦争が全てではない”こと」
「アフガニスタンに平和と安全が訪れますように」

アフガニスタン パラ代表 フマユーン アミリー コーチ:
「お金や食料がなくなることは大きな悩みではない。「平和」の本当の意味は“戦争の勝ち負け”ではない。全ての人に平等な権利があること」
国境を超え、戦禍を超え、愛知に集ったアスリートたちがいます。
車いすバスケ カンボジア代表 シエン ソク チャン 選手:
「障害があっても困難や壁を乗り越えられる」


