名古屋証券取引所とテレビ愛知が共同で運営するYouTubeチャンネル「あしたのマネー」。今回は、株式会社Challenger代表の鳥海翔さんをゲストに、いま注目されている「AI(人工知能)」が抱える問題点とそれを解決する宇宙ビジネスの可能性、そして多くの人が悩む「株の売却タイミング」について解説しました。
AIの大きな課題を救うのは「宇宙産業」?

いま急速に進化しているAIですが、鳥海さんによると、そこには圧倒的な「電力不足」と「データセンターを建てる場所」という2つの大きな問題があるといいます。
この問題を解決するかもしれないのが、イーロン・マスク氏が率いる「スペースX」などの航空宇宙産業です。スペースXは、宇宙にたくさんの人工衛星を打ち上げています。鳥海さんは「宇宙には土地がいくらでもある。大きな人工衛星を作って太陽光パネルを敷き詰めることで、太陽の光が直接入ってきて、AIをいくらでも動かせる電力を手に入れることができる。この人工衛星そのものをデータセンターにする計画が進んでいる」と説明します。
また、スマートフォンアプリの「X(旧ツイッター)」は、もともと短い文章を投稿する文化でしたが、現在は長い文章や動画も投稿できるようになりました。これは世界中の人たちにXを使ってもらい、あらゆる情報を集めてAIに学習(ディープラーニング)させるための仕組みだといいます。集めた情報と宇宙のデータセンターを組み合わせることで、AIの技術はさらに速いスピードで進化していくと解説しました。
岡田愛マリーアナウンサーも、「今のXは、日本語以外の言葉で書かれた文章も、自動的に日本語に翻訳されて表示されるので、本当にすごいと感じていた」と、AIの進化を実感している様子を見せました。
プロが教える「株の正しい売り時」

株の投資において、多くの人が悩むのが「いつ売ればいいのか」というタイミングです。
鳥海さんは、自身の保有している株を売る基準について次のように解説しました。 「たとえば今、日本やアメリカは国をあげて半導体に投資している。もし、その国としての投資の流れが止まったとしたら、これ以上の成長は期待できないかもしれない。そうなったタイミングで売却(損切りや利益確定)をする」
大切なのは「これまで株価がどうだったか」ではなく、「この後どうなるか」という未来の流れを見極めることです。株価が上がっていても下がっていても関係なく、成長の期待ができなくなったら売るという明確なルールが必要だと説明しました。
投資初心者に特によくある失敗として、株価が買ったときより下がってしまったときに、「元の値段に戻るまで待ってから売ろう」と考えてしまうことがあります。しかし鳥海さんは、「元本に戻る保証はどこにもない。株価が上がると『もっと上がるかも』と欲が出て持ち続け、また下がったときに『あのとき売っておけばよかった』と後悔することになる。株価の上下に振り回されないためにも、自分で判断できないうちは、個別株ではなく、一番多くの人が失敗しにくい『インデックス投資』を選ぶほうがいい」とアドバイスしました。
人生を変えた1冊と「好きなことを仕事にする」生き方

番組では、鳥海さんが会社を辞めて独立するきっかけとなった1冊の本として、タリーズコーヒージャパンの創業者・松田公太氏の著書『すべては一杯のコーヒーから』(新潮文庫)が紹介されました。
エリート銀行員だった松田氏が、アメリカのシアトルで飲んだコーヒーのおいしさに感動し、銀行員という安定した立場を捨てて「自分のやりたいことや情熱」を実現するためにタリーズジャパンを立ち上げた物語です。鳥海さんはこの本を読み、「こういう生き方をしてもいいんだ」と大きな影響を受け、当時勤めていた保険会社を辞める決意をしたといいます。
岡田アナが「毎月お給料をもらえる安定した立場を手放すのは、なかなか勇気がいる」と話すと、鳥海さんは「好きなことを仕事にしてしまえば、お金をかけずに好きなことができる。なんとなく老後が不安だからという理由だけで大企業で働き続けるよりも、資産運用をしっかり行って生活の土台を作り、自分のやりたいことにチャレンジして生きるほうが、お金では測れない楽しさがあるのではないか」と話しました。
SKE48の松本慈子さんが「漠然とした夢ですが、将来は社長になりたい。自分の好きなことを追い求めている人は本当にかっこいいと思う」と話すと、鳥海さんは社長になるメリットとして「出勤時間を自分で決められること、そして嫌な仕事を自分の判断で断ることができる自由があること。今の社会では『嫌なことは嫌だ』となかなか言えないが、社長になれば自分で選択する生き方ができる」と説明しました。
著書に込めた「騙されない」ための判断基準

最後に、鳥海さんの初めての著書『マンガでわかる 騙されないお金の増やし方』(KADOKAWA)が紹介されました。この本には、65歳から年金に加えて月10万円を受け取るための具体的な投資方法や、お金に関する間違った思い込みなどが書かれています。
鳥海さんは「世の中には、30年前の古い情報のままで『貯金は安全だ』『株はギャンブルだ』『大人は家や保険を持つものだ』という常識に縛られている人が多い。誰かに直接だまされているわけではなくても、世間の空気やよくわからない常識に振り回されて生きている人がたくさんいる。何が正しいかは自分で決めるべきだが、そのためには自分の中にしっかりとした『判断基準』を持たなければいけないという思いをこの本に込めた」と話しました。
松本さんから「本を出すと儲かるのですか?」という素朴な質問が出ると、鳥海さんは笑いながら「実はそんなに儲からない。半年かけて1万部売れたとしても、月あたりに直すと約30万円ほど。本を出す一番の理由は、儲かるかどうかではなく、自分が伝えたい大切な知識(資産運用の方法など)を、知り合いや多くの人に一番正しく、深く届けることができる信頼性の高い道具だから」と、本というメディアの価値を説明しました。


