三重県伊勢市の商店街で起きた火災から9月7日で1週間となりました。7日も現場検証が行われましたが、出火原因の特定には至っていません。
■"生涯を過ごした場所"が…変わり果てた姿に
伊勢市の近鉄・宇治山田駅前にある明倫商店街。火災から1週間経った7日も、朝から警察と消防による現場検証が行われましたが、いまだ出火の原因は分かっていません。 8月31日に起きた火災。火は燃え広がり、店舗や隣接するホールなど59棟が焼けました。
商店街で青果店を営む宮下さん: 「煙臭いなと外へ出てみたら、すごい煙だったので。事務員さんが消火器でかけて」 鎮火したのは出火からおよそ44時間後。警察によりますと、駅に近い商店街東側のアーケード入り口付近の建物が、火元の可能性が高いとみられています。 火元とみられる建物近くで店を営んでいた男性は…。 商店街で婦人服店を営む中森さん: 「なんの面影もないです。一生涯過ごした場所がこういう形ですから、残念です。力が抜けた」
■名投手・沢村栄治ゆかりの地 "貴重な居場所"失われ…
明倫商店街は、伊勢神宮の外宮からおよそ700mの場所に、戦後間もなく発足した老舗の商店街です。レトロな雰囲気で注目を集める中、地域のにぎわいづくりに取り組む人もいました。 明倫地区まちづくり協議会の中川真由美会長: 「9月12日に初秋コンサートを企画して、ポスターも出来上がって掲示板にも貼って。『今回は中止です』とお知らせした」
9年前から商店街の一角で、2カ月に1回のペースで開かれていた「めいりん村音楽会」。今月12日にも開かれるはずでした。 中川会長: 「いつまでもずっと続くかなと思ってやっていたことなので」 ポスターにはいつも店舗などのイラストがついていました。描いたのは、音楽会の運営をしていた濱口素則さん(74)です。
濱口さん: 「お店の空気といいますか、お店の人とお客さんとの会話とか、空気感が伝わってきますので」 濱口さんは、明倫商店街ゆかりの名投手・沢村栄治の生涯を称えた歌も歌っています。歌には、商店街への思いが込められています。
濱口さん: 「残念の一言です。悲しいです。地域でも応援してきた商店街が一瞬にしてなくなるというのは、本当にお店の方、地域の方と育んできた『友情』はあるし、この場所でみんなに会えないんやと思うとね」 建物だけでなく、人と人をつなぐ貴重な居場所までも奪ってしまった火事。 伊勢市は今月4日から義援金を呼びかけているほか、被災者に市営住宅を無償で提供することも決めています。


