モノがあふれる時代になぜ? “物々交換”の店に人が集まる理由 激レアなビンテージ服など約3万点が並ぶ 人生がちょっと楽しくなる不思議な空間

名古屋市名東区。多くの車が行き交う道路沿いに、ひときわ目立つ店がありました。

モノで埋め尽くされた店内に並んでいるのは、洋服や巻物、さらには岩塩や結婚証明書なんてものも。

ここは「物々交換コレコーレ」。使わなくなったモノを持ってくれば、同じ価値のモノと交換できます。

不思議な空間にいろいろな人が集まります。日本では一着しかないかもしれないという超貴重な服を持ち込んだ親子に、絶対に負けたくない永遠のライバルも常連さん!?

この店にカメラを置いてみたら、ちょっと変わった楽しい出会いがありました。

20年以上通う超常連さん「モノだけ見に行ってるわけじゃない」

モノがあふれる時代になぜ? “物々交換”の店に人が集まる理由 激レアなビンテージ服など約3万点が並ぶ 人生がちょっと楽しくなる不思議な空間

名古屋市名東区にある、ちょっと変わった店「物々交換コレコーレ」。正午に開店すると、早速、一人目のお客さんがやってきました。

20年以上通う常連客の三浦麻衣さんと娘の想(そう)ちゃん。持ってきたのは、愛用していたポーチとおばあちゃんの小物入れ。三浦さんにとっては大切な品です。

持ってきたモノは、その場で査定。今回は全部で1300円でした。

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そのまま買い取ってもらうのかと思いきや、店に置いてあったスキーウェアなどを手に取りレジへ。※1月に取材

ここでは、持ち込んだモノと店舗の商品を物々交換できるのです。

スキーウェアとグラスは合わせて1400円。三浦さんが持ってきたモノは1300円の査定額だったので、100円足して交換できました。

三浦さんも「いい交換になった!」と笑顔。後日、交換したスキーウェアでそりを楽しんだそうです。

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コレコーレで手に入れたモノが自宅にもたくさんあるというので訪ねてみると、普段着ている洋服やストール、ちゃぶ台など、店で出会った品々が暮らしの中に溶け込んでいました。中でも、特に大切にしているのが・・・

三浦麻衣さん(42):

「人生のパートナーになっている、たんすと水屋たんす」

月日がたつごとに変わる風合いが気に入り、20年以上使い続けているそうです。

家の中がコレコーレのモノだらけになるほど、なぜ通い続けるのでしょうか?

三浦麻衣さん(42):

「あそこ自体が宇宙みたいな感じなので、23年行っても発見だらけ。モノだけ見に行ってるわけじゃない感じですね」

物々交換の店ですが、交換せず、ただ購入するだけでもOK! 店内にあるのは約3万点。一度入れば誰でも欲しいものが見つかりそうです。

「分かち合うことでしか生きる道がなかった」 幼少期の思い出が生んだ店

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コレコーレをオープンしたのは、白髪にひげが特長的な片桐健二さん(74)。

店を訪れた人が「(片桐さんが)話しかけてくれるので楽に話せる」というほど、どんな人ともすぐ仲良くなれる気さくな人柄の片桐さんですが、なぜ物々交換の店を始めたのでしょうか?

店をオープン 片桐健二さん(74):

「独占が嫌なのよ。なぜかというと、元々児童養護施設で育った。みんなと分かち合うことでしか、生きる道が探していけなかった子ども時代」

家庭の事情で4歳のとき児童養護施設に。仲間とモノを共有して過ごした子ども時代の経験から、いろんなモノをいろんな人と共有できる物々交換の店をやりたいと思っていたそうです。

サラリーマンや洋服のバイヤーを経て、2002年に本の物々交換の店としてオープン。現在の場所に移転し、本以外の交換も始め、店内で大規模なオークションを開催したこともありました。

店をオープン 片桐健二さん(74):

「とがったものを扱うことで、とがった人と出会えるでしょ。いろんな年齢に関係なく、夢を追って生きてて、僕はそういう人から学びを得たい」

日本に一着かも!? 超貴重な品に「値段決められない」

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そんなとがった人が、この日もやってきました。

2年ほど前から店に通っているという伊藤春香さん。この日、持ってきたのは、地元ノリタケの皿やスイス製のオルゴール。高そうなものがどんどん出てきます!

極めつけは、日本生まれのブランド「コム・デ・ギャルソン」の洋服。30~40年前のビンテージで、日本では一着しかないかもしれない超貴重な品だといいます。

これには、さすがの片桐さんも・・・

店をオープン 片桐健二さん(74):

「好きな人同士が競ってどうするかってやらないと、値段決められない」

あまりに高級なものの数々に、査定は次の日に持ち越しに。

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一夜明け、子どもたちを連れて再び来店した伊藤さん。貴重なギャルソンの洋服は、親しい近所のご夫婦から譲り受けたものなんだそう。

伊藤春香さん:

「いいものなので、うちで死蔵させてもしょうがないし、誰かの目にとまって着てくださればいいかな、うれしいなと思います」

結局、伊藤さんのギャルソンは、交換や販売はせず、レンタルできる商品になりました。

ちなみに、オルゴールやノリタケの皿は、店に並べて売れたら、その収益を伊藤さんに返す委託販売に。ノリタケの皿は2万5000円、オルゴールは8万円で販売されることになりました。

「マジ全部買いたい」若い世代もハマる魅力

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この店にハマるのは若い世代も。大学でファッションを学んでいるという岡田麗司さん(19)。

岡田麗司さん(19):

「雑貨をメインで見に来て、だけど今、自分ギャルソン好きなんですけど、意味わかんないギャルソンがあったので、とりあえず試着してた。これやばいです本当に」

麗司さんの目を奪ったのは、伊藤さんが持ってきた日本に一着かもしれないギャルソン。

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しかし、貸し出しと聞き購入を断念。気持ちを切り替え、本来の目的である部屋のインテリア雑貨を探し始めました。次に目をつけたのが、電源が行方不明になっている個性的なデザインのライト。

岡田麗司さん(19):

「スペースエイジとか、70年代ぐらいのアイテム集めるのが好き。昔のアイテムだけど近未来みたいな。マジ全部買いたい」

時計が二つにメトロノーム、ワインラックなど、3時間かけて7つの商品を購入しました。合計3500円!

購入したモノを早速、部屋に並べたようです。電源がないライトにメトロノーム。そして、ワインラックはまさかの本棚として使われていました。

「ぱっと見、変なものばっかだけど…」刺激される“おしゃれの感性”

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その翌日、まさかの出来事が・・・麗司さんによく似た双子の弟・匠司(しょうじ)さんが来店。麗司さんと同じく、雑貨を探しに来たのです。

岡田匠司さん(19):

「(兄とは)ベクトルの違うおしゃれな部屋にしたい。ちょっとオレはきもい系(の部屋)」

実は前日、兄・麗司さんはこんなことを話していました。

兄・岡田麗司さん(19):

「本当にこいつ(弟)がマジでライバルだから一番の。おかげで自分の好きなファッションのダメなところ言い合って、ファッションできるから最高」

双子でおしゃれを競って、お互いを高め合っているそうです。

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匠司さんが見つけたのは、白く塗られた小物入れ。実は、売り物ではなく店の備品だったのですが、特別に1000円で売ってもらえることになりました。交渉成立です!

自宅に戻ると、早速、部屋に設置して、テープなどを入れる小物入れとして使っていました。ライバルの2人の部屋は、これからもコレコーレのアイテムで進化を遂げそうです。

岡田匠司さん(19):

「ぱっと見、変なものばっか置いてあるんじゃないって思わせて、実はいいものたくさん置いてあるのが、この店の本当にいいところ」

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その言葉を聞き、「やったぁ!それがうちの狙い」とうれしそうな片桐さん。

店をオープン 片桐健二さん(74):

「人生って一番楽しいのが学びだからね。自分も知らない自分に出会うって面白くない?」

誰かが置いていったものが誰かを豊かにする。「物々交換コレコーレ」に一度足を踏み入れれば、人生がちょっとだけ楽しくなるかもしれません。

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